続々増えるアパレル業界の公式アプリ!運用の戦略と活用事例を考察しました

アパレルブランドやアパレルショップで「公式アプリ」を導入する企業が増えてきました。先駆けとなったのは、UNIQLO(ユニクロ)やGU(ジーユー)、GAP(ギャップ)などの大手企業。それに続くように、ZOZOTOWNなどのオンライン販売がメインの企業もアプリを作り、アプリで顧客との接点を持つようになりました。

アパレルブランドのアプリ戦略は、大きく2つにわかれます。

  1. O2O系アプリ
  2. オムニチャネルアプリ

O2Oとは、「 On line to Off line」の略語。ネットで集客した人をリアルの店舗に。リアルの店舗にきた人をネットに。オンラインとオフラインを結ぶ導線にアプリを入れようという戦略です。

オムニチャンネルとは、ネットで注文したものが、店舗でも受け取れる、コンビニでも受け取れる、指定の時間に配達してくれる。ネットでいいなと思ったものが店にいったら置いてある。常に在庫が確認できるといったように、顧客の生活スタイルに合わせて様々な購買チャンネルを用意しておくというマーケティングの考え方です。アプリは様々なチャンネルを結ぶ情報の中心的役割となります。

この記事では、5つのアパレルブランドが運用する公式アプリの特徴と戦略をまとめました。公式アプリの導入を考えているアパレルショップの方や、アプリを導入したものの運用に悩んでいるという方は参考にしてみてください。

オムニチャンネル戦略のお手本「UNIQLO」の公式アプリ

いわずと知れた、日本を代表する企業UNIQLOの公式アプリです。ダウンロードしているよという方も多いのではないでしょうか?

アプリのリリースは2012年の4月。アプリは「モバイル会員」という位置づけで運用されてきました。

リリースから1年後の2013年6月3日には、アプリダウンロード者数が1000万人を超えたと公式発表(プレスリリースはこちらから)。2015年にはアプリのデザインを大きくリニューアルしています。

UNIQLOのアプリは「オムニチャネル戦略の教科書」といえるくらいわかりやすくオムニチャネルを実践しているアプリです。

特徴をみていきます。

特徴

テーマは、「買い物上手になろう」

  • ダウンロードクーポン:5000円以上で500円OFF
  • デジタルチラシの配信
  • お気に入りのスタイルを探して購入できる
  • オススメ商品のプッシュ通知
  • 在庫確認
  • 店舗レジ支払い
  • どこでも受け取りサービス

戦略

UNIQLOの公式アプリは、オムニチャンネル戦略の中心地として機能しています。

実店舗での購入はもちろんながら、オンラインで購入した商品の受け取り場所をコンビニや自宅、店舗など好きな箇所から選ぶことが可能です。顧客は自分の好きなタイミングで商品を受け取ることができます。

さらに、継続的にアプリを使ってもらうために、服のサイズを登録できる機能をつけたり、ショップカードをつけたりと、UNIQLOで買い物をする人を便利にするアプリなのではないかと思います。ダウンロードを促すために店頭・オンラインストアの両方で使える500円の割引クーポンをつけています。

ホームページに掲載されてるアプリの紹介ページを見ているアパレルショップがオムニチャンネルを目指す上でどのような取り組みが必要なのか、勉強になるなと思いました。

出典:UNIQLOの公式アプリ紹介ページから

会員向けに特化した「GU」の公式アプリ

UNIQLOを運営しているファーストリテイリングの子会社であるGU。アプリのリリースはUNIQLOと同じ2012年の3月です。初期のアプリは、「ジーユーおしゃれメーカー」という名前でリリースし、ファッション診断などのゲームを中心としたアプリでした。(当時のプレスリリースはこちらから)

リリースから1年後の2013年3月には、ロゴの一新したことに合わせてアプリをリニューアル。2015年には600万ダウンロードを超えるアプリとなりました。

特徴

テーマは、「オシャレとお得が1つになったアプリ」

  • アプリ限定のポイント機能
  • オススメのスタイリングを紹介
  • アプリ特別価格での購入
  • スペシャル動画の配信

戦略

アプリをダウンロードした方を「アプリ会員」と呼び、積極的にGUの会員になってもらおうという戦略です。ダウンロードさえしといてもらえれば、企業から随時情報をお届けすることができるので、会員登録に専念し、囲い込みをしていこうというイメージを持ちました。

クーポンで惹きつけるだけでなく、お気に入りを登録できるマイページの機能やアプリ限定のポイントカードなどを作ることで、ユーザーに定期的に使ってもらおうとしています。ゲーム性をもたせたアプリとしてスタートしたGUですが、今も変わらず一貫していることは、「アプリで便利になる、特典があるだけでなく、お客様に楽しんでもらう。」という姿勢を貫いているように感じます。

出典:GUの公式アプリ紹介ページ

アプリが会員証の代わりになっている「GAP Japan」の公式アプリ

アパレルブランドのGAPは、2016年6月にメンバーシップアプリをリリースしました。アプリをダウンロードして初回の入力を行うと「ラッキールーレット」という最大50%オフのクーポンがもらえる抽選に参加することができます。

アプリには様々なスタイル写真が掲載されており、WEARというメディアサイトと連動しています。WEARは、様々なユーザーがコーディネートをアップすることができるサイトです。

特徴

  • GAPアプリがメンバーページになる
  • メンバー特典で買い物ができる
  • 外部サイトと連携することで常に情報が更新される
  • 会員限定のセール情報が配信される
  • オンライン専用クーポンが使える

戦略

これまでアプリがないときは、

  1. サイトにアクセス
  2. ページを見つける
  3. 項目を入力する
  4. メルマガで情報を受け取る

という手順でした。会員登録をした後に届く情報はメルマガかDMです。

これを、

  1. アプリダウンロード
  2. 必要な情報を入力
  3. 情報はアプリに配信される

といった流れにして登録を簡素化、情報が埋もれないようプッシュ通知で情報を送るという戦略をとるようにシフトした事例です。また、外部のサイトと連動させることで、更新頻度を上げアクティブなユーザーを増やすことも目指しているように感じます。

出典:GAPの公式アプリ紹介ページ

3つのアプリを運営するアパレルECサイト「ZOZOTOWN」の公式アプリ

ファッション通販サイトのZOZOTOWNは3つのアプリを運営しています。

  1. メイン事業であるZOZOTOWNのアプリ
  2. フリーマーケット方式で買い物ができるZOZOフリマ
  3. 同社が運営するブランドWEARのアプリ

ZOZOTOWNのアプリは情報が開示されていませんが、WEARのアプリは2013年のリリースから2年の2015年に600万ダウンロードを突破。最近発表された情報では900万ダウンロードを突破したとのことです。

特徴

  • ZOZOTOWN、ZOZOフリマ、WEARのどのアプリからでも買い物ができる
  • アプリ限定クーポンの定期配信(1日1回以上のプッシュ通知)
  • オンラインユーザーの窓口となるアプリ
  • 3つのアプリを運営することで、顧客のニーズごとに接点を作る

戦略

ターゲットと戦略を変えた複数のアプリを運用することで、窓口を増やし、どこかで購買につなげようという戦略です

  • ブランドで服を選びたい人向けのZOZOTOWN
  • 価格で選びたい人向けのZOZOフリマ
  • スタイルで選びたい人向けのWEAR

それぞれに異なったへ向けて、アプリを顧客との接点にし「オンラインで服を売る」という企業のテーマを実現しています。

ターゲットに合わせた戦略を組み立てるために、複数のアプリを運用するということも重要ではいかと考えさせられる、1つの成功事例です。

EC販売限定の古着屋「STAY246」の公式アプリ

STAY246はEC販売限定のアパレルショップです。こちらは、アプリクッキングのアプリを活用していただいています。固定の店舗を持たず、主にネットショップのみで運営されています。

毎日のように商品の入荷があり、他では手に入らない限定商品の販売も多いためファンも多くプッシュ通知のお知らせを心待ちにされている人も多いとのことです。

特徴

  • ほぼ毎日、新商品入荷のお知らせをプッシュ通知で配信している
  • プッシュ通知配信後にショップ稼働率が向上
  • ネットショップでは実現できなかった「お客様へ情報を届ける」ためにアプリを運用している

戦略

STAY246のアプリの特徴は、毎日配信しているプッシュ通知にあります。

アプリをダウンロードしている人は、ここでしか手に入らない情報や商品を心待ちにしています。その方達へ向けて、新商品入荷のお知らせをプッシュ通知で配信することで、ネットショップだけでは成し得なかった、リアルタイムの情報を顧客へ届けることができるようになりました。

実際にプッシュ通知配信後にショップが稼働することも多いとのことで、実際の店舗がないからこそ、多くの顧客が利用しているアプリが有効な接点となっているのではないかと思っています。

出典:STAY246オフィシャルページ

まとめ

いかがでしたか?

アプリを活用しているアパレルブランド5つの事例と戦略を考察していきました。ブランドの方針によってアプリの目的や戦略は少しづつ異なりますが、それぞれの顧客へ向けてメリットのある情報を届けるという点では共通しているのではないかと思います。

公式アプリは「顧客を便利にするためにツール」です。現在、国民の93%以上が携帯電話をもち、そのうちの67%以上がスマートフォンを持っていると言われています。また、今年の3月には、OSの理容室でGoogleのAndroidがWindowsを超えたとの発表もありました。

これから益々拡大するであろうスマホ市場に対応するためには、アプリという選択肢は欠かすことができないものであるとアプリクッキングでは考えています。

今回のテーマである「アパレル」の場合、UNIQLO・GU・GAPのように、ネットショップと実際の店舗を結ぶ動線にもなりますし、顧客へ情報を提供する窓口にアプリがなります。

また、ZOZOTOWNやSTAY246のように、実店舗を持たない場合でも、アプリのプッシュ通知を使えばリアルタイムに情報を提供することが可能です。心待ちにしているファンの方の購買心理を促すことに繋がります。

これからも増えるであろう、アパレルのアプリをアプリクッキングでも引き続き研究し、届けていきたいと思います 。