あなたの製品やサービスをブランディングする7つの法則

「ブランディング」。この言葉はよく使われますが、実際ブランドが何かと認識されていないことが多いです。強固なブランドを築くために何をすればいいのか、考えるのは難しいですよね。

今回は現代マーケティングの第一人者であるアル・ライズと娘のローラ・ライズ共著である「ブランディング22の法則」の22の法則の中から、これからブランディングをするのに重要な7つの法則を紹介します。

※抜粋した7つの法則に関しては表現をわかりやすく変えています。

そもそもブランドとは何か?

ブランドとは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。

 出典 wikipedia

正しいですが、理解し難いです。「ブランディングの22の法則」で紹介されているものを紹介します。

すべての固有名詞がブランドである。あなた自身もブランドである。

出典 ブランディング22の法則 47ページ

固有名詞はそれのみに名称を与えられた語です。オリジナルな名前を持っているものは、全てブランドだということです。そして、ブランドを構築して企業価値を向上させることをブランディングといいます。

ブランディング7つの法則

1.焦点を絞り込む時にブランドは強力になる

ブランドが強化されるのは、ブランドを拡大した時ではありません。収縮させて焦点を絞った時です。

アメリカの多くのコーヒーショップでは、パンケーキ、マフィン、ホットドック、ハンバーガー、サンドウィッチ、パイ、アイスクリームなど様々なものが売られていました。

その時ハワード・シェルツは、焦点を絞ってコーヒーだけを売るコーヒーショップをオープンさせました。そのコーヒーショップが後のスターバックスです。

アメリカにある多くのコーヒーショップのように、ブランドを広げることはブランドの力を弱めます。ジャンルが広げるのは製品やサービスの印象を薄くしてしまいます。

2.ブランドは広告ではなくてパブリシティによって誕生する

パブリシティとは、企業の1つのPR活動です。広告としてメディアにお金を払うのではなく、ニュースとしてテレビ・新聞・ネットなどに取り上げてもらうことです。ただし必ずしもメディアが取り上げてくれるわけではありません。あくまで選択権はメディアにあります。

THE BODY SHOPのアニタ・ロディックはパブリシティの機会を求めて、世界中を旅しながら環境問題を解決するアイデアを売り歩きました。膨大な新聞や雑誌、ラジオやテレビでのインタビューでTHE BODY SHOPというブランドが世界中に広がりました。広告費を全く使わないで巨大ブランドを築き上げてしまったのです。

パブリシティを生み出す方法は、1番手になることです。言い換えるとあるカテゴリーの中で1番手になることです。

以下はカテゴリーで1番手となった企業の一覧です。

  • バンド・エイド:初の絆創膏
  • ドミノ:初の宅配ピザチェーン
  • ゴアテックス:初の通気性と防水性を兼ね備える布
  • ハイネケン:初の輸入ビール
  • プレイボーイ:初の男性雑誌
  • サランラップ:初のプラスティック製食品ラップ
  • タイム:初のニュース週刊紙

出典 ブランディング22の法則

 ニュースメディアは新しいもの、初めてのもの、強烈なものを報じたがります。優れたものを報じるわけではありません。

ちなみにCMのような広告は大企業のブランドの維持のために行われます。マクドナルドやコカ・コーラなどの大企業が巨額の広告費をかけてCMなどを放送するのは、そのためです。広告ではブランドは作られません。あくまで維持が目的の場合が多いのです。

3.お客様にあなたのブランドの「言葉」を所有させる

LINEと聞いたら「メッセージアプリ」や「電話とメールに代わるもの」と思い浮かべる方が多いと思います。

メルセデス・ベンツ、ボルボ、BMWと聞いたらどうでしょうか。ベンツは「格式」、ボルボは「安全」、BMWは「走り」などの言葉を消費者に所有させています。

あなたの製品やサービスといえば、どんな言葉が出てくるでしょうか。例えばあなたの経営するバーが「モヒートといえばあのバー」と言われるようになれば、確実にブランディングされています。さらに、1つ目の法則でもあげたとおり、焦点が絞られてブランド力があがります。モヒートが飲みたければ、あなたのお店に行く確率はとても高くなるのです。

4.ブランドは品質だけで築かれるものではない

品質は重要ですが、それだけでブランドは築くことができません。

高品質と低品質は、誰もが判断できると思っています。しかし実際はそうではないです。

  • ロレックスはタイメックスより本当に正確な時を刻むのだろうか。
  • ライカだとペンタックスより本当にいい写真が撮れるのだろうか。
  • メルセデス・ベンツはキャデラックに比べ本当に機械上の問題が少ないのだろうか。
  • コカコーラはペプシコーラより味がいいのだろうか。ほとんどの人はそう思っているのは、コークがペプシよりも多く売れているからである。しかし味覚テストではほとんどの人がペプシの味のほうを好んでいる。

出典 ブランディング22の法則 95ページ

品質が低くていいと言っているわけではありません。あくまでブランドを築くのは品質だけではないのです。日本にありがちな考え方として、良い物さえ作れば売れるなどの考え方がありますが、それが通用しないのが現実です。

良い物を作るのは当たり前で、さらに消費者の頭の中に品質が良いという認識を生み出すことが重要です。いくら専門家が良いと認めるものを作ったとしても、それが良いものなのか悪いものなのかを決めるのは消費者だからです。

5.あなたのブランドが1番だと言えるカテゴリーを生み出す

「1.焦点を絞り込む時にブランドは強力になる」になる法則で、あるブランドを、もはや市場がなくなるくらに絞り込んだ場合、新たなカテゴリーを生み出すことができます。

世の中の認識として、ブランディングはより市場のシェアを獲得するものだとされています。しかしブランディングの最も効果的な側面は、製品やサービスのシェアを増やすこととは全く関係がありません。

ブランディングの最も効果的な側面とは、新しいカテゴリーを生み出すことです。まったく新しい何かを始めることになります。

そうすることで新たなカテゴリーをリードする製品やサービスになるのです。つまり、「2.ブランドは広告ではなくてパブリシティによって誕生する」の法則も満たすことになり、より強固なブランドを築くことができます。

6.1度築いたブランドを市場や時代の変化で変更しない

1番簡単に破られるのが、この法則です。市場や時代は必ず変化するものですが、ブランドは変更してはいけません。もし今まで築いてきたブランドがあったら破壊されてしまいます。これからブランドを築くのであれば、いつまで経ってもあなたの製品やサービスは消費者にブランドとして認知されません。

吉野家とすき家の事例を見れば明らかです。すき家は目先の売上を追って、市場に合わせて様々なメニューを開発しました。美味しいものもありましたが、すき家に行く時に何を食べるのか明確に決まっていないというお客さんが多くいたと思います。逆に吉野家に行くお客さんの多くが牛丼を食べると決めていると思います。

結果的に、すき家は労働問題で1200店舗で深夜営業が中止されました。吉野家はBSE問題で苦しい時も一貫してブランドを崩さないように営業していました。一時的に牛丼が解禁された時、吉野家に多くの人が殺到したニュースは、吉野家をさらにブランディングしました。

7.1つのものを追い求める

ある1つの特異性を追い求めることで、ブランドは強固になります。

  • 輸入ビールという代わりにあなたは「ハイネケン」を注文する。
  • 高価なスイス製腕時計という代わりにあなたは「ロレックス」を注文する。
  • 安全な車という代わりにあなたは「ボルボ」を注文する。
  • ドライビング・マシーン(走りのいい車)の代わりにあなたは「BMW」を注文する。

出典 ブランディング22の法則 266ページ

上記の通り、ハイネケンは輸入ビールという特異性を追い求め、ロレックスは高価なスイス製腕時計を追い求めました。これが今でも廃れないブランドなのです。

あなたの製品やサービスの特異性とは何か考えてみましょう。きっと製品やサービスをブランディングする手助けになるはずです。

まとめ

この内容は、「ブランディング22の法則」に出てくる7つの法則を抜粋したものを参照にまとめました。今回紹介したもの以外でも、ブランドの名前を決めるのに参考になります。興味がある方は読んでみてください。

一般的な常識とかなり違う点もあったかと思います。一つの法則ではなく方法論として、あなたの製品やサービスのブランディングに活用して下さい。

参考文献

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社アプリクッキング代表取締役社長。 アプリクッキングはアプリ屋さんではありません。アプリを使ってクライアント様と、より良い未来を一緒に創造していくことを目指しています。経営、マーケティングという観点からの記事を主に書いていこうと思います。