翼を授かるために飲め!21世紀は尖った会社しか行き残れない!

2016年は「リーマンショック」並み、いやそれ以上のショックが世の中を襲います。そんな中、心に刺さるような「トガり」がなく、特徴もない、まん丸な、平均的な企業、お店、サービスは間違いなく時代とともにほうむり去られますさようなら。

どうでしょう?ドキッとした方もいるかと思いますが、この文章は「トガる」をテーマにしているのでその重要性を表現したくて、あえてトガった文章にしてみました。上記の内容は根拠も何もない話なので気にしないでください。とは言っても、今回のテーマである「トガる」ということが重要だということに変わりありません。

「トガる」漢字で書くと「尖る」と書きます。今回はこの「尖る」をテーマにして進めていきます。

あの店「ほんと尖ってるなぁ」「尖った商品だなぁ」「尖った企画だな」「尖ったCMだな」こんなふうに尖るという言葉を聞いたことありませんか?

よく「丸くなったな」と言いますが、これは昔尖ってたということです。これって経営でもすごく重要だと感じています。ベンチャー企業や1店舗目のお店のスタートしたばかりで、まだ誰にも知られてないうちから「丸い」と、はっきり言って誰も気づいてくれません。

まず尖ってスタートする、そしてだんだん丸くなる。これが重要だと考えています。もちろん知ってもらうために広告を出すわけですが、広告で溢れてる今の時代なかなか気づいてもらえません。そんな中で見つけてもらうには「尖る」しかない。さらに見つけてもらうだけでなく、心に刺さる存在になるにはやっぱり尖っていくしかないのです。

ということで、今回は、経営、マーケティングという観点から「尖っている」という表現を解説していこうと思います。

1.尖っていないと深く刺さらない

まずこちらをご覧ください。

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刺されたら、どちらが痛そうですか?いや、質問を変えます。「どちらが深く刺さりそうですか?」

答えは簡単ですよね。

物・サービス・情報で溢れている今の時代。企業は顧客を創る上で、顧客の心に刺さるものを提供しなければならない時代となりました。商品もサービスも広告もすべて心に深く刺さらないと誰も興味をもってくれませんし覚えてもらえないのです。もっと言うと気づいてさえもらえないのです。

2.尖ることを選択して大成功したハーレーダビットソン

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出典 Instagram(HarleyDavidson)

1903年にアーサー、ウォルターのダビッドソン兄弟とウィリアム・シルヴァスター・ハーレーによって設立されたのがハーレーダビットソンです。ハーレーダビッドソン社製オートバイ最大の特徴は、大排気量のエンジンがもたらす独特の鼓動感と外観であり、創業から100年以上たった今ではこれに魅せられた多くのファンがいます。

しかし、ハーレーダビットソンも初めから今のようにファンがいたわけではありません。かつてハーレー社は小型スクーターなども製造していた、いわゆる普通のオートバイメーカーでした。オートバイメーカーとして苦戦をしいれられていた時です、採算の取れない車種を廃止するなど規模の縮小を行ったのです。しかし車種を減らしたことで山間部やサーキットで能力を発揮できる車種が少ないなどお客様が離れていきました。しかしこれこそが転機になるのです。ここでハーレーダビットソンは得意としていた車種のみを追求することにしたのです、これが「アメリカのフリーウェイを長く走る」ために設計された今のハーレーダビットソンでした。

もうお分かりですよね、山間部やサーキットで走るためのオートバイを捨てて「アメリカのフリーウェイを長く走る」ためのオートバイ開発に集中した結果、フリーウェイを気持ち良く走りたいという熱狂的なファンがどんどんできました。

ハーレーダビットソンジャパンでは、ファンのためのオーナーズクラブを用意しています、日本だけで約35000人もの方が参加。ハーレーオーナー同士が交流できるイベントなどを開催しています。

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出典 Harley Davidson JAPAN サービスページ

そして、ファンに対して新しい商品やイベント情報などを、しっかり届ける工夫もされています。その一つがハーレーダビットソンジャパンの公式アプリです。2011年、12年、13年とリニューアルしているクオリティの高い素晴らしい公式アプリです。公式アプリはファンにとって非常に便利なものとなっています。

下の画像の右上を見ていただければわかるようにFacebookとYouTubeへのリンクもしっかり用意されています。このように公式アプリは情報源への入り口の役割も果たすします。ファンにしっかり情報を届けることを大事にしているのです。

ハーレーハーレーダビットソンは今も尖り続けることで多くのファンを獲得し、またそのファンを大事にすることで100年以上成長を続けている素晴らしい企業なのです。

3.尖ることのメリットとデメリット

メリット:ターゲットが明確になること

尖ると刺さります。心に刺さるのです。理由はわかりやすいからです。そして、刺したい相手も明確になります。ターゲットが明確だと戦略もたてやすいですし、経営自体が非常にシンプルになります。経営がシンプルになれば、もちろん業務もシンプルになります。これは今の時代に非常に重要なことではないでしょうか。

デメリット:市場が狭くなること

デメリットとしては市場が狭いということです。基本的には尖れば尖るほど狭くなります、求める人が少なくなるわけですから仕方ありません。しかし、こういう考え方もあります。市場を創るという考え方です。

4.鋭く尖ることで、人の心を突き刺してきた結果。新たな市場を創りだしたレッドブル。

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出典 Instagram(Red Bull)

レッドブルもまた、非常にファンの多い企業でありファンを大事にしている企業です。それではレッドブルはどのようにしてファンを創っていったのでしょうか?実はその秘訣は「桁違いな尖り方」だったのです。

レッドブルはファンとコミュニケーションをとり、ファンを楽しませることを非常に大事にします。そのため、尖ったイベントも開催しています。まずはイベントをご紹介します。

イベント名は「レッドブルフルーグタグ(Red Bull Flugtag)」です。「フルーグタグ」とはドイツ語で『飛ぶ日』を意味します。名前のとおり、フルーグタグは人力飛行コンテストなのです。このイベントが2015年10月に日本でも初めて開催されました。

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出典 Instagram(Red Bull)

このイベントの面白いのが、みんな飛ぶ気がないということです。

すみません。誤解を生みますね。飛ぶ気はあるはずです。

というのもこのイベントは、たんに飛行距離だけで競うのではなく、パフォーマンスとクリエイティビティとを合わせて競うイベントなのです。これまで世界各国で100回以上にわたり開催され、そのたびに数万人の観客を沸かしてきた人気イベントなのです。このイベントではもちろんレッドブルが販売されていますし、神戸のイベントではチケット購入時に一本レッドブルがもらえました。

このようなリアルイベントを通して、レッドブルはファンを楽しませることはもちろん新しいファンを創っていくのです。それにしても尖りまくったイベントですね。

そんな尖りまくったイベントを開催するレッドブルのCEOのディートリッヒ・マテシッツ氏は、「マーケティングがすべてだ。」と明言しています。

実際マテシッツさんが1987年にレッドブルを創業した時の企画書には「レッドブルのための市場は存在しない。我々がこれから創造するのだ。」と書かれていたそうです。

redbull「レッドブルのための市場は存在しない。我々がこれから創造するのだ。」

出典 徹底的なブランド戦略!世界に羽ばたくレッドブル

始めから尖りまくってます

何よりも尖っているのが、レッドブルを飲む理由です。

img476ea88czikazj 2「こんな小さい缶で、のどの渇きをいやせると思うな。翼を手に入れるためにレッドブルを飲め。」

出典 image.space.rakuten.co.jp 

レッドブルを飲む理由は翼を授かるためだった!

この尖りまくった、レッドブルを飲む理由こそが多くの人の心を突き刺したのです。

まだあります。レッドブルはこれだけでは終わりません。

スクリーンショット 2015-12-02 11.44.02「あなたが選ばれた人間ならこの車に乗れ。」

出典 Instagram(Red Bull)

「あなたが選ばれた人間ならこの車にのれ」もう一度言います。

あなたが選ばれた人間ならこの車にのれ」これは刺さります!

レッドブルは、こういったアプローチを行うことで新しい価値観を創り出しました。そして圧倒的なマーケティング力でこの価値観を広め、ファンを創ることに成功しました。こうして新しい市場が創られたのです。

レッドブルは現在日本を含め、世界160か国以上で販売されています。エナジードリンクとして売上、シェアともに世界で第1位で、2014年には全世界で56億本が消費されました。2009年の売上げ本数が39億本で、売上額はおよそ3500億であることからどんどん広まっていることがわかります。

5.どう興味をもってもらうかを考えなければならない

ご紹介した2社は極端な例でしたが、尖るということがどんなことかなんとなくご理解いただけたでしょうか?要するに差別化を図るということです。例に出したハーレーダビットソンとレッドブルは企業として大きすぎますし、日本の企業ではないのでイメージしにくいと思う方もいるかもしれませんが今回は、企業の大きさは論点ではありません、お伝えしたい大事なことは「尖るという考え方」です。

企業の規模に関係なく、尖っていくという考え方は一つの強力な戦略になるということです。小さなお店でも何かの専門店として成功しているお店を一つくらい心当たりあるのではないでしょうか?専門店は多くの顧客を創ることはできないかもしれませんが、確実にファンを創っていくことができます。

とにかく尖れという話がしたいのではありません。尖ることが必ずしも正解という話でもありません。尖るという考え方を、飲食店や美容系の個店、その他あらゆるサービスにうまく取り入れていくことがこれからの時代では大事になるということです。

その理由は売り手主導から買い手主導に市場が変化したからです、売り手市場の時代は広告を出せば効果がありました。それは個人が情報に弱かったためです、しかしインターネットの普及により個人が情報に強くなりました。これが市場が逆転した理由です。これからは「どう売り込むか」を考えるのではなく「どう興味をもってもらうか」を考えなければなりません。

今後、経営、マーケティングでは、この発想の転換が重要になってくるでしょう。

まとめ

「尖る」とはすでに多くの企業が取り組んでいる「差別化」のことを言います。しかし差別化をしっかりできている企業は少ないのではないでしょうか?

ではなぜ、多くの企業が差別化しようとしているのにできていないのか、ハーバード・ビジネススクールで絶大な人気を誇る女性経営学者のヤンミ・ムン教授によると差別化にはジレンマがあると言います。

「プロフェッショナルとして知恵を絞れば絞るほど、消費者のこころを見失ってしまう」

「いつのまにかどの会社も、同じ方角を向いて走る群れになっている」

要するに「差別化」しようとライバル企業を知れば知るほど、自社の1番弱い部分が気になってしまいそこにテコ入れしてしまうのです。これを自分の会社だけがやるならいいのですが、ライバルも同じようなことをすると、結果的にみんな同じになってしまうということなのです。

心当たりはないでしょうか?はじめは差別化して尖っていたのに、いつのまにかライバルがやってるからといって、様々なことをとりいれているうちに自社の強みである尖りが見えなくなってしまう。

これは非常に危険なジレンマです。差別化してるつもりが、どんどんライバルと似てくるわけです。もしかしたら「尖る」ために最も必要なのは企画や戦略などではなく、「勇気」と「決断」なのかもしれません。

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社アプリクッキング代表取締役社長。 アプリクッキングはアプリ屋さんではありません。アプリを使ってクライアント様と、より良い未来を一緒に創造していくことを目指しています。経営、マーケティングという観点からの記事を主に書いていこうと思います。