顧客満足度を上げるために必要な潜在ニーズを汲み取る方法

顧客満足度を上げることが売上に繋がることはわかっている。でもどうすれば顧客満足度を上げられるのかわからない。顧客満足度を上げるためにお客様の声を元にお店を改善してきたけど、目に見える成果が上がらない。そう感じている方は多いと思います。

顧客満足度を上げるには、お客様の要望に答える必要があります。しかし、お客様の声をそのままビジネスに反映しても、成果は上がりにくいでしょう。それは、お客様は自分が本当に欲しいと思っていることを認識できていないからです。

その認識できていない潜在的なニーズをどのように汲み取るか紹介していきます。

1.人間は自分の求めていることの5%しか認識できていない

多くの企業がお客様に「あ、これが私の本当に欲しかったものだ」と思ってもらえない理由は、お客様が言語化できない欲求(潜在ニーズ)にアプローチできていないからです。

自分の欲しいものですら私達は全て把握できないのです。ハーバード大学ビジネススクールの名誉教授であるジェラルドザルトマン博士は以下のように言っています。

「人間は自分の意識下では5%しか認識できない」「人間の思考の95%は無自覚に起こっている」

これは、言い換えると以下のようになります。

「自分の求めている5%認識していて言葉にできるけど、残り95%は認識できていないから言葉にできない」

つまりお客様は自分が本当に求めていることはわかっていないのです。

顕在ニーズ はっきりと言葉にできる顧客の欲求
潜在ニーズ 顕在ニーズの裏側に隠れている欲求を根本的に満たす欲求

潜在ニーズとはどういうことなのか、もう少し理解するために、日経ビジネスオンラインの記事の一文を読んでみて下さい。

欲しいのは「ドリル」ではなく「穴」だった

既成概念にとらわれて失敗した「ドリルの話」はよく知られていると思います。ある企業が懇意にしている顧客から「直径10mmの金属ドリルを1万本欲しい」という引き合いの連絡を受けました。そこで担当者は、予算や競合情報などを簡単に聞き出し、従来通りのドリルの歯を1万本用意できる体制を整えました。

ところが、この企業はこの引き合いを受注につなげられなかったのです。なぜでしょうか?実は、顧客の2つの状況を把握していなかったのです。1つは、これまでの金属板に2箇所穴を開けていたのですが、それを10ヶ所に増やすことになったこと。もう1つは、穴を開ける金属板が、今までより薄くなったことです。

顧客は開ける穴が増えたので、「1万本のドリルが欲しい」と言いましたが、その状況をきちんとヒアリングした競合企業は、ドリルではなくパンチを提案し、見事受注したのです。薄い板ならパンチでも穴が開けられますし、一度に多くの穴が開けられて効率的です。この場合の既成概念は、「ドリルが欲しいからドリルを準備した」ことです。実際に顧客が求めていたのは「ドリル」ではなくて「穴」だったのです。

 潜在ニーズについて理解できたでしょうか。お客様の声をそのまま鵜呑みにしていたら顧客満足度は上げることができません。それでは、潜在ニーズを汲み取る方法見ていきましょう。

2.潜在ニーズを汲み取る方法

自分が何を求めているかは全て把握できないのと一緒で、お客様の潜在ニーズも全て把握できません。ここで重要なのは答えはないと前提を持つことです。それでも、何を求めているのか真剣に考えることが潜在ニーズを把握することにつながり、顧客満足度にもつながっていきます。

答えはないのでニーズを汲み取る1例をご覧ください。

①お客様の声やデータを集める

お客様の声や客観的なデータを元に本当に求めていること(潜在ニーズ)をイメージするのに役立ちます。データまで取れなくてもお客様の声は必ず集めましょう。ただし、お客様の声やデータを鵜呑みにしてはいけません。

②お客様の声とデータからお客様が求めていることをイメージして書き出す

お客様の声とデータはどちらかというと顕在的なものです。言い換えると表面的なものです。それをどう使うかが重要です。イメージの仕方ですが、例えば飲食店の以下のようなお客様の声があったとします。

「いつもどおり料理を美味しくいただけました。しかも今日はスタッフさんに笑顔で迎えられて元気までもらえました」

この言葉から2つのことがイメージできるはずです。

  • 何回も来てくれていて料理に満足してもらっている
  • いつもスタッフが笑顔ではないこと

更にイメージすれば、料理で満足してもらっているけど、接客でいつも満足してもらえていないことがわかります。

③全ての声やデータからイメージしたことをカテゴリー分けしてみる

かなり膨大な量になるかも知れませんが書き出したら、その一文一文をカテゴリー分けしてみましょう。例えば接客編、料理編のようにです。接客の中にも各カテゴリーを作って来店時編、退店時編、注文時編のようにしてみましょう。

お客様の潜在ニーズが少しずつわかるようになってきます。更にはお店に必要なこともわかるでしょう。

3.まとめ

潜在ニーズを汲み取り、それに応えれば顧客満足度が上がることは理解できたでしょうか。実際に潜在ニーズを汲み取るのは、紹介した方法だとかなり手間がかかります。しかし、手間をかけてもお客様と真摯に向き合わないと、発展はないと考えてもいいでしょう。

また潜在ニーズがしっかりと汲み取れたとしても、それを実際のビジネスに反映できない方がほとんどだと思います。人員の問題やお金の問題などいろいろあるでしょう。それでもお客様が本当に求めていることに答えられるビジネスが生き残ります。

この時に自社が持つ技術や資源の範囲だけで答えることをシーズ思考といいます。ほとんどの場合それでは顧客満足度は上げられないのでご注意下さい。

まずはお客様が本当に求めていることを考えてみましょう。