2021年8月18日、新潟医療福祉大学のマーケティング担当、加藤様を招いて開催されたアプリ活用勉強会。
アプリの活用法のみならず、WEBマーケティングという括りで、今までの経験や日々やっていること、そしてこれからの展望やお考えなど、とても貴重で濃密なお話をしていただきました!
今回の記事では、加藤さんによる勉強会のハイライトをお送りしていきます!
学校のアプリ運用を考えていらっしゃる方は特に、今回の内容をお役立ていただけますと幸いです。
では早速本編に入ります!
6つの課題と8つの施策
本学にはの6つの課題と8つの施策があります。なぜアプリを導入したのかというところに深く関わってくるところにはなります。
まずは6つの課題ですね。
1つは地方大学だということですね。やっぱり情報が入ってこないようなすごく田舎にあるっていうのがネックになっております。
2つめは学科数が多いというところです。学科数が多い分PRが難しいというところがあります。3つめは分野が広いということですね。一応、医療系総合大学ではあるんですけど、スポーツの学科があったりだとか、分野が広い分、難しいなというところです。
4つめは募集エリアが本当に広いんですね。県内の学生は関東や関西の方に行く傾向にありますので、学生募集をする上では、全国からかけないといけないというところが難しいところになっています。もしこれが東京にあれば、首都圏だけで募集ができたかもしれないんですけれども、新潟県の端にある大学なので、難しいというところですね。
5つめは、分野ごとに競合が異なるということで、分野ごとで、見る競合学校が違うんですよね。ホームページをみたりSNSをチェックしたりしてどんなブランディングでどんなマーケティングでやっているのかなっていう随時チェックしながら差別化をはかっていくっていうのを13学科ごとにする必要があるのが大変だなと思うところです。
最後は、訴求ポイントがとにかく多いということです。分野や学科が多いのに加えてチーム医療が学べるところや盛んな研究についてなど、本当に言いたいことがすごく多いです。
なので、一つに絞ることができないんですよね。一つのチラシを作るにしても、全部を入れるわけにもいきませんが、一つに絞るのもリスクがあって、なのでどう絞ってPRをしたらいいのかっていうところがやっぱり難しいなというところです。
ということで、予算にも限りがあるなかでこれらの課題を解消するには、効率的な広報活動が必要だよねということですね。そしてWEBマーケティングを導入していく運びになりました。
結果、効率的かつ効果的な広報活動ができるようになりました。
それらの課題を解決する8つの施策ということで説明をさせて頂きます。
まず1つめは分析ですね。現状を知るというところがすごく大事だと思っております。毎月、どんなかたがどのページをいつみたのか、そしてどの流入でみているのかっていうのをデータを全部出して、分析をしております。で、去年の今頃と比べて、どのように違うのかっていうところまで分析をしております。
2つめは、清潔感と医療感があるデザインで、全部の媒体でブランディングを統一しております。学生が医療の服を着ている写真をだして、青、白、ピンクといったカラーを使ったホームページになっております。
実はスマホ・PDFページ合わせて2000ページあるのですが、ホームページは毎年更新しております。
大変な作業にはなっているんですけれども、学生・高校生・保護者様が見た時に、きれいだな・清潔感があるなって思ってもらえるイメージ作りと、もうひとつが簡単にいける導線をつくってあげるっていうのがすごく大事なところかなって思います。
もう2000ページもあるので、たくさん情報が溢れてごちゃごちゃしていくんですよね。そこでノンストレスのものにしていくっていうのが重要なところかなと思っております。
3つめは「顧客の育成」ですね。最終的には、WEBから出願をしてもらわないと何の結果にもつながらないので、接触した学生を育成をしていくところが大事かなと思っておりまして、広告をメインに打っております。
数を打てばいいっていうものではなくて、やっぱり興味関心に合わせて効果的に配信するのが大事だと考えております。
限られた予算で広告をうつ必要があるなかで、分野や学科が多い本校はどのワードで広告を打てばいいのか、最適化するまでにたくさん失敗をしました。
ただこれはもうやっていくしかないので、たくさん失敗を重ねて、精度をたかめていくっていうのが大事かなと思っております。たくさんの予算を過去に投じて、今やっと形になったというところです。
4つめはSNSでの広告強化というところで、ここは主に私が関わっているところでございます。各SNSの情報発信をほぼ毎日行なっております。twitterとFacebookはほぼ毎日配信できるようにしておりまして、LINEはプッシュ型なので、学生のストレスがかからない頻度と内容で配信をしております。
5つめが動画コンテンツの作成・強化ということで、youtubeに動画をたくさんUPしています。詳細は割愛させていただくんですけれども、ブランディング動画だと、大体年間10本くらいはアップするようにはしています。
6つめは、オープンキャンパスの強化です。今はwebでやっているんですけれども、年間100本の制作をしました。毎年10回は行なっていた来場型のオープンキャンパスがコロナ禍で一気になくなってしまいましたので、2020年の3月時点ですぐにwebにシフトチェンジをしました。
7つめの施策としましては、オンラインガイダンスの参加を強化したというところですね。通常ですと実際に高校に足を運んでガイダンスをするのですが、今はこのようなご時世ですので、オンラインでガイダンスを積極的にやっています。
ガイダンスをオンラインにシフトチェンジしたのはいいことも結構ありまして、今までは沖縄や九州の方から依頼があってもお断りをしていたんですよ。なかなか足を運ぶのにも時間とお金のコストがかかっていたので。ですがそういったところにもオンラインで実施できるようになったのはいいことだなと思っています。
アプリを導入したきっかけ
そして最後に、大学の公式アプリを制作したというところですよね。まず、公式アプリの導入のきっかけからお話をしていきます。アプリの導入に関しては本当に、いいことばかりです。アプリを導入したことによってどんなメリットがあったのかという話ですね。
まず、アプリはプッシュ型です。基本的には大学を調べるときは、みなさんWEBで検索をしてチェックをします。ですが、気にならないとなかなかチェックをしないんですね。私も基本的にそうです。でも、例えばお店に行った時に「こういうイベントがあってる」とか、アプリをとったらちょっと安くなるとかあればやっぱりアプリをとるんですよね。
そうすると、毎回プッシュ型で通知が届く。LINEと違って、アプリの通知はストレスにもならないなというのを自分自身感じていますので、ノンストレスであり、プッシュ型でもあるというのは一ついいことだなと考えております。
2つめはタイムリーな情報提供ができるところですね。学校ですと、入試があって、オープンキャンパスがあって、その他にも情報を発信する内容がたくさんありますので、それをタイムリーに発信できるっていうのはとてもありがたいなと思ってます。
twitterとかですとやっぱり流れてしまうんですよね。オープンキャンパスの申し込みも、twittterからだと大体二人くらい、LINEからの導入は大体20人くらいなんですよ。一方でアプリからの導入は40人くらいに申し込みが増えておりまして。本当に流れてしまわないっていうのが本当にいいなと思います。タイムリーに、その時出したい情報を流されずに打ち出せるっていうのがいいところだと思います。
3つめはすごく身近であるということですね。生活の密着ツールがアプリになっていると感じています。
4つめはとにかくアプリクッキングさんは安価だなと感じました。
アプリの制作って本当にピンキリだと思うんですけれども、アプリクッキングさんは安価で本当にありがたいなと感じています。
アプリの立ち位置
まず、大学の公式アプリなんですけれども、独自のプラットフォームをもつことができますので、カスタマイズができるんですよね。この部分にはニュースをいれよう、この部分には動画を入れようという感じですね。
アプリに関しては、ガイダンスやオンラインガイダンスで接触した方に直接アプリのダウンロードを促しました。なぜアプリに関しては大々的に広告などPRをしないかといいますと、離脱を防ぎたいというのがありまして、コアなロイヤルユーザーの人たちがアプリをインストールしてくれて、離れないでくれたらいいなと思っているので、あえてアプリの案内をする人たちを選んで直接的な案内をしております。
SNSとアプリの違い
SNSとアプリの違いについては、やっぱりメディアの特性を理解して、アプローチしていかないといけないよねと考えております。SNSによってもターゲットが全然違うと思うんですね。配信の仕方ももちろん違いますし。SNSと一言で言っても、媒体によっては特性が全然違うんですよね。そこを理解した上できちんと使うっていうのは難しいところでもあると思うので、そこがアプリとSNSとの大きな違いだと思っております。
アプリの活用法
毎日やっているのはニュースの配信ですね。
アプリでは最近始めたvoicyの窓口を置いたりとか、模擬講義って言って教員がやっている模擬授業を撮っているサイトがあるんですが、そこの窓口をおいています。模擬講義はリリース当初、アプリからでしか見れないようにしてダウンロードを促したりしていました。
あとは、本学はチャットは使用せずに、もともとLINEのチャットbotを導入しておりましたので、LINEでのお問い合わせ窓口や、学科ブログの窓口も作っています。
ホームページでみると学科のブログはすごく見にくいところにあるんですが、ロイヤルユーザーの方は、ブログのほうもしっかりチェックして志願書に落とし込んだりだとか、日々大学で行われていることとかを情報収集してチェックしている学生もいますので、そのかたたち向けに学科ブログの窓口をアプリに設けています。
生活に密着しているツール
アプリは身近であるというところをお話ししたと思うんですけども、実際にスマホをみてみると、ほとんどアプリですよね。ユニクロのアプリですとか、自分が好きなファッションのアプリですとか、SNSがはいったりですとか、ほとんどがアプリだと思うんですけれども、自分がブックマークしているサイトは4つくらいしかないなと思いました。
もう完全に生活の動線にアプリがなっている時代がきているなと思いました。
時刻表をみるのもアプリですし、お金を払うのもアプリですし、もう完全にwebよりもアプリが生活に密着しているっていうので、アプリの導入を決めました。
アプリとSNSの相乗効果
あと、SNSが集約されているという話をしたいんですけれども、アプリの中に各SNSのアイコンをいれて集約させているんです。アプリがなかったら、それぞれのSNSが独自のアイコンになってますし、SNS自体がアプリ化しているんですけれども、アプリに各SNSを集約できたことによって、例えばtwitterしかフォローしていなかった学生がアプリ内で回遊して、instagramもフォローしたりだとか、アプリがきっかけでフォローしていないSNSのことを知って、しかもそれぞれ違う情報配信をしているということで、フォローに繋がったりしているんですよね。アプリの回遊で各SNSのフォロワーが増えたっていうのはすごく嬉しい効果だなと私自身考えております。
今後の展望
私個人的には、これからは特にターゲットのメディアの変化に敏感になるべきだと考えています。
本当に私が入社した5~6年前はパンフレットしかないような時代だったと思います。WEBサイトやSNSはあっても、ほとんどが紙媒体での案内だったんですね。
それがWEBサイトの中で写真で打ち出すようになって、そこから動画の時代になりました。今はtwitterでも写真よりも動画の方がリーチも多いというデータがでています。
そして今は音声の時代が来ていると考えています。音声だけで情報をとる人が増えたということですね。見るから聴くっていうところにシフトチェンジしていると考えております。
最終的にはWEBサイトという基地もなくなり、SNSのみでPRする時代が来ているんじゃないかと考えています。各種手続きについてはtwitterを見てくださいとか、そんな時代が来ると考えていますので、私がターゲットとしている学生や保護者の方々の動向は常にチェックをしておく必要があるなと感じています。
そして、早く自身のプラットフォームを持つべきだと考えています。
このプラットフォームが、本校でいうと、公式アプリなんですね。
ここをできるだけはやくしっかりと持つことが大事だと考えております。
新潟県にある総合医療大学で、専門分野を超えて学ぶ「連携教育」に取り組み、チーム医療・チームケアが学べる学校です。全国各地から多くの学生が出願する新潟医療福祉大学はスポーツも有名で、水泳ではオリンピック選手がでたり、野球の方でもプロの選手がでたりなど、スポーツでも盛んな学校です。